パートナーシップと男性性と女性性の関係
量子論的に考えると自分に起きる課題は、内側に見過ごされた何かがあることを教えてくれるものです。
ですから、わたしはセッションでクライアントの問題を引き起こしているように見える周りの人がどういう人かを探ることより、その課題に対してクライアントがどう感じたのかが重要だと考えています。
ただしパートナーシップの課題については、問題となっている相手の方についてお聞きすることがあります。
それは、現実のパートナーシップにクライアントの内面の男性性と女性性の様子が現れているからです。
そう考えるようになったキッカケの本、『あなたの内の男と女』から、象徴的な一節を紹介します。
でも異性との関係で経験を重ねていくにつれて、自分がいつも全く同じ種類の問題に直面することに気がつきはじめます。しかしそれをどうしたらいいのかわかりません。パートナーとうまくいっていないときは、息が詰まるような感じがします。ときどき、自分は義務を果たしているだけだ、期待を満たしているだけだと感じます。相手を追いかけるしかない時もあります……。どのような動きが展開されても、それに伴うのは重さと自由のない感覚です。そんな瞬間、何もかも八方ふさがりに思えて、あなたは逃げ出したくなります。その関係のないところへならどこへでも!
たいていパートナーとの相性が合わないからだ、選択を誤ったからだ、だからこんなに苦しいのだと私たちは考えます。そして続けて考えます。いずれそのうち自分に「ぴったり」の相手が見つかって、何もかもうまくいくだろう!
そうかもしれません。でもよく見ると、完璧なパートナーへの期待は表面的なもので、関係性の根っこはもっと深くて、あなたの無意識のなかに根を張っています。異性関係で確実に成功したいなら、そこを見るのが最善なのです。
<『あなたの内の男と女』 P19 サガプリヤ・デロング 著>
わたし自身、前の結婚での課題と今の結婚での課題の本質つまり「根っこの部分」は同じものでした。
その理由が、この本を読むことでハッキリしたのです。
そこで、自分の中の女性性を緩め、男性性を信頼することで現実の夫婦関係を劇的に変えることができました。
自分の経験を踏まえセッションを通していろいろな夫婦の関係を観察して、現実のパートナーシップを創っているのは、その方の内の男性性と女性性の関係性だと確信したのです。
現実のパートナーとの関係性でわかること
先述の本『あなたの内の男と女』に、こうあります。
これは私だけに起こったことではありません。よくクライアントがこう言うのを耳にします。「私の内なる女性は妻にそっくりだよ」とか「僕のガールフレンドはまったく同じことを言っていたよ」とか。これは偶然ではありません。私たちの内側には男性と女性のエネルギーが一体化し、彼らをひとつにしたいという欲求があるのです。男子は外側に自分に一番ふさわしい相手、つまり内なる女性によく似た人を探し求めます。女性は内なる男性の特徴を備えた人を見つけようとします。たくさんの人がいて、100人の中からたった一人の人を選ぶことができたら、あなたは間違いなく「その人」を見つけることでしょう!
とりわけ結婚すると、それがはっきりします。誰かともっと深くもっと長くつきあいたいと思うとき、あなたは相手のなかに自分の「対極の側面」を見ているのです。たぶんそれを意識していないかもしれません。その人に批判的なことさえあるでしょう。でもその人から離れようとしても、どうしても離れられないと感じます。この一致はいつもボーイフレンドやガールフレンドに当てはまるわけではありません。しかし実際のところ、考えている以上に多くのケースで、結婚していない場合でも、パートナーはあなたの隠れた側面の鏡になっているのです。
<『あなたの内の男と女』 P23 サガプリヤ・デロング 著>
実際にわたしがこの本に乗っているいくつかのワークや瞑想を学び、自分の内の男性性と女性性について理解することができるようになってから、現実の夫を見てみました。
すると本当に自分の内の男性性と夫は、とてもよく似ていました。
「理想」と「現実」のギャップを知る
わたしの理想のパートナーシップは、普段はのんびりしているけれど実はとても頼りになる男性に守られ、あるがままの自分でくつろぐような関係でした。
けれど実際のパートナーシップは、最初は理想に近いものから始まるのに、付き合いが長くなり深くなると、男性の頼りなさにイライラして自分が頑張ってばかりになるのです。
くつろぐどころか、イライラして可愛げがなく、心の中で夫を批判ばかりしているような状態でした。
そのギャップを夫のせいにしていたし、相性が合わないと考えていたのです。
けれど、自分の内の男性性と女性性を理解することでその状況はすぐに変わりました。
今では、夫はのんびりしているけれどいざという時は頼りになり、必ずわたしを守ってくれる人だという信頼があります。
わたし自身、夫のそばにいる時、とてもくつろいでいます。
男性性と女性性の特徴
男性性と女性性についてお伝えしましたが、実際に目に見えるものではありません。
また、女性だから女性性が強いわけでもありません。
男性性と女性性について、パートナーシップの側面からその特徴をお伝えしますね。
顕在意識=男性性・潜在意識=女性性
量子論で大切な「意識」。
この意識は、「顕在意識」と「潜在意識」から成り立ちます。
(正確には、集合意識・宇宙意識などがありますが、今回はこの2つについてお伝えしますね。)
2つの意識は、顕在意識が男性性、潜在意識が女性性を表していると言われています。
これだけだとイメージが湧きづらいかもしれません。
実際のパートナーシップに当てはめてみると、イメージしやすくなります。
女性性と男性性が1組のカップルだとします。
パートナーシップがうまくいっている人の女性性は、いつもくつろぎ感受性が豊かです。
対する男性性は、女性性で感じたことを認め受け入れています。
必要があれば守り、願いが湧いたら叶えてあげようと力を尽くします。
これを意識の視点から見ると、潜在意識に思い込みやこだわりが少なく、豊かな感情を感じられている。
潜在意識で感じた感情を顕在意識が認め、ふと湧いた願いを現実にしようとする。
美しくしなやかな女性とその女性を大切に守るイケメンの男性。
そんなイメージでしょうか。
もしあなたの現実のパートナーシップがうまくいっていないとしたら、女性性が頑張りすぎていたり、反対に受容されず不安な状態だったり、男性性が自信を失っているなど、偏りがあることが推測されます。
男性性と女性性のバランスがよい場合、その関係性は「創造の関係」になります。
代表的なものが「子ども」ですよね。
反対に「愛されたいのに愛されない」という状態は、男性性と女性性のバランスが取れていない典型的なものです。
男性性と女性性のエネルギー循環
男性性は「与える」性です。
そして女性性は「受容」する性です。
自分の内の男性性と女性性のバランスが取れている場合、与えることと受け取ることのエネルギーが循環しています。
例えば、ふと「今日は部屋に花を飾りたいなぁ」と感じた時。
バランスが取れている状態では、
・女性性が「花を飾りたい」と感じる
↓
・男性性がその望みを「そうか、花が欲しいんだね」と認める
↓
・男性性が女性性の望みを叶えるため花を買う(与える)
↓
・女性性が受け取る
↓
・女性性が喜び、感謝する
↓
・男性性が感謝を受け取り、また女性性に与えたくなる
このようなスムーズな循環が常に起こっているのです。
この流れの中で、男性性が未熟だったり力を発揮しきれていない場合、「花?そんなのお金が勿体無いだろ!」とか「花を買うなんて、なんの得にもならないだろ」となり、女性性は受け取ることができなくなります。
女性性が未熟であったり頑張り過ぎている場合も「花?そんな贅沢できないわ」とか「花より食費の方が大切じゃない!」と考えてしまい、男性性は与えることができなくなります。
結果、男性性は女性性からの感謝も必然的に受け取れなくなるのです。
あなたの内の男性性と女性性のバランスの取り方
自分の内側の男性性と女性性の関係性が理解できるようになると、現実のパートナーシップは善きものになります。
また、生きることそのものがとても楽になります。
あなたの内の男性性と女性性のバランスが取れていないとしたら、うまくいっていないパートナーを変えたところで関係性は遅かれ早かれ、同じようなものになるでしょう。
「そんなことはない!相手が素晴らしい人ならうまくいくに決まってるじゃない!」と感じるかもしれませんが、自分の内の男性性と女性性のバランスが取れていなければ、素晴らしい人と関係を持つことや続けることは難しいのです。
では、どうしたら男性性と女性性のバランスが取れるようになるのでしょうか。
先述の『あなたの内の男と女』から、バランスを取る考え方を紹介します。
人生を信頼すればあなたはくつろぐということです。レゾナンス(共鳴)を生み出すのはこのくつろぎです。信頼とは、事前に何をするのかを決めないで、準備をせず、計画を立てず、ただその瞬間の出来事に応じて、それと一緒に自然に流れるというあなたの側の決意です。そのとき、あなたを形づくるのは生命であり、それが絶えずあなたに新しい形を与えるため、あなたは特定の決まった形や姿勢を持ちません。実のところ、決まった形を見つけようとしたら、決してあるがままの自分を知ることはできないでしょう。あなたは変化し続けるもっとずっと大きな河へと流れ込む小さな川なのです。
<『あなたの内の男と女』 P59 サガプリヤ・デロング 著>
この文章は、量子論的な考え方そのものです。
いまここを心から味わうこと。
そこにしか、本来のあなたはいないのです。
いまここに在る、ということは信頼という視点を持つことでもあります。
恐れのない状態で在るとき、あなたの内の男性性と女性性はあるがままでいられるのです。
わたしは、セッションでクライアントの現状を聞いていると、その方の女性性と男性性がどうなっているのかが視えます。
それは、わたし自身が自分で体験してきたからです。
現実のパートナシップをよくするためにコニュニケーション講座や愛され妻講座などを学んでも、改善しないのは自分の中の男性性と女性性のバランスを理解できていないからなのですね。
あなたの中の男性性と女性性のバランスが取れてくれば、コミュニケーションを取ろうとしなくても自然と会話が増えます。
愛されないという悩みもなくなります。
現実を創っているのは、意識ですからね。
もしパートナーシップでの課題が解決しないのであれば、ぜひあなたの中の男性性と女性性について見直してみてください。